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AI時代の組み込みC++学習法|GitHub Copilotで生産性10倍を目指す

組み込み開発

「組み込みの勉強を始めたけれど、コードを書くたびにググってばかりで前に進まない……」──そんな悩みはありませんか? 近年は ChatGPT や GitHub Copilot などの AI ツールが急速に進化し、“AI とペアプロする開発スタイル” が標準になりつつあります。

本記事では、組み込み C++ エンジニアが AI を味方に学習効率を10倍に引き上げるロードマップを提示します。 具体的には、AI 時代に求められるスキルセット、Copilot を最大活用するコツ、そして設計→実装→デバッグを高速に回す学習フローを、実例を交えて解説します。

「AI を使ってみたいけど、どこから手を付ければいいかわからない」 「Copilot の導入手順や具体的な使い方を知りたい」 そんな方は、ぜひ最後まで読み進めてください。今日から実践できるノウハウが詰まっています。

それでは、どうぞ。

AI時代に求められる組み込みエンジニア像

コードを書くだけの時代は終わり、AIと協働して「設計・検証・統合」に価値を移す──これが今まさに起きている変化です。

本章では、開発現場でAIコーディングが標準装備になりつつある現状と、そこで光るエンジニアの新しい強みを整理します。

AIを使ったコーディングが“標準装備”になる開発現場の現状

コードを書く行為そのものが、いまや AI と共同で行うのが「普通」になりつつあります。

JetBrains の State of Developer Ecosystem 2023 調査によると、開発者の 46 % が GitHub Copilot を日常的に利用していると回答しています。GitHub の社内研究でも「Copilot 有効ファイルでは平均 46 % を AI が埋め、タスク完了が 55 % 速くなった」と示されています。

さらに GitHub CEO は「近い将来、コードの 80 % を Copilot が生成するだろう」と述べており、AI とペアプロを前提にした開発フローは逃れられない潮流です。

開発者は “書く” から “レビューし、設計し、統合する” へ役割がシフトしていく――これが組み込み C++ エンジニアにも降りかかる現実です。

設計力と課題解決能力がますます重要になる

コード生成はAIが担う場面が増えますが、「何を作るか」を決め、仕様へ落とし込み、AIが生成したコードの品質を保証する責任は人間に残ります。

アーキテクチャ設計力と問題発見・分解・解決スキルを高めることが、今後のエンジニアの差別化ポイントです。

結果につながる学習マインドセット

AIを味方に付ければ、学習効率は劇的に伸びます。しかし「どう活用するか」を誤ると、ただの時短ツールで終わりかねません。

ここでは、学習初期からAIをフル活用し、日常的にペアプロを回すことで成長曲線を描く考え方を紹介します。

学習初期からAIをフル活用しよう

「資料を探す→読む→手を動かす」という従来型の学習は時間がかかります。

しかし、現代ではChatGPT に「Zephyr RTOS で LED ブリンカを C++20 で書くサンプル」と尋ねれば、最小構成の CMakeLists.txt と main.cpp が 30 秒で得られます。

さらに「2 kHz タイマー割り込みに書き換えて」と追投げすれば即リファクタ提案も。検索ではなく“会話”で得る情報に切り替えるだけで、学習効率が数倍に跳ね上がります。

AIとペアプロを“日常化”して成長スピードを上げる

設計意図をコメントに書き、Copilot に実装させ、自分は「動作保証の論拠」を確認する――この役割分担を毎日 15 分でも続ければ、コードリーディング量が爆発的に増えます。

LLDB/GDB のログを Copilot Chat に貼り付け「スタックから原因を推定して」と頼むと、デバッグ方針まで提案してくれるため、問題解決の型が自然に身につきます。

GitHub Copilot をおすすめする3つの理由

数あるAI開発ツールの中でも、Copilotがペアプロ習慣と最も相性が良いのはなぜか?

本章では「生産性・フィードバック・学習効果」という3つの観点から、その強みを掘り下げます。

24時間付き合える“相棒”がいるので手が止まらなくなる

Copilot はカーソル位置を解析し、即座に次行候補を返します。コードをコピペしてChatGPTに張り付けて・・・といった手間はいりません。

スタートアップ企業でも「実装工数が 40 % 削減」という事例が報告されており、個人学習でも“手が止まる瞬間”を大幅に減らせます。

テスト・改善案を即提案──フィードバックループが爆速

クラスの実装中に「ユニットテストを書いて」とCopilotに指示を出してみます。すると、GoogleTestフレームワークで動作するテストコードとビルドするためのCMakeLists.txtを作成してプロジェクトに追加してくれます。

このように、コードを書いている環境だけで完結するのもGitHub Copilotの強みです。

多彩な実装例が学べて設計力と読解力も同時に伸びる

Copilot の提案は Linux カーネルや人気 OSS のイディオムを学習した統計モデルに基づくため、読解するだけで「こう書くと保守しやすいのか」が体得できます。結果として設計の引き出しが増え、他人のコードレビューもスムーズになります。

GitHub Copilot を導入する

「良さそうなのは分かったけれど、導入が面倒なのでは?」──そんな不安を解消するために、IDEの準備から動作確認までを5つの手順で示します。

5分もあれば、あなたの環境でCopilotが動き出します。

VSCodeをまだセットアップしていない方はこちらの記事を参考に環境を構築してみてください。

Copilotを動かす準備──GitHubアカウントを確認

GitHubアカウントが必要です。まだアカウント作成していない方は公式でアカウントを登録しておきましょう。

GitHub Japan
GitHubはソフトウェア開発のプラットフォームです。GitHubには8000万件以上ものプロジェクトがホスティングされており、2700万人以上のユーザーがプロジェクトを探したり、フォークしたり、コントリビュートしたりしています。

GitHub アカウントは Free プランでも利用可能(学生・OSS 貢献者は無償ライセンス)。企業利用なら Business プラン(月額 $19)が推奨です。

VS CodeにCopilot拡張機能をインストール

アカウントを作成したら、VSCodeの拡張機能をインストールします。Extensions パネル → GitHub Copilot を検索 → Install

Copilotを有効化してGitHubでログイン

初回起動時にポップアップされる「Sign In with GitHub」をクリック。ブラウザが開き、認可を許可すればセットアップ完了です。CLI 派は gh auth login でも可。

初期設定とショートカットを自分好みに調整

editor.inlineSuggest.enabled を true、Accept Inline Suggestion を Alt + ]

など、よく使うキーへ割り当て直すと提案承認がワンアクションに。拒否ショートカットも設定しておくと、不要補完へのストレスが激減します。

実際にCopilotを使った学習フロー

ここでは「数値を昇順に並べ替える」というシンプルな課題を題材に、Copilot と一緒に設計→実装→テスト→リファクタを高速で回す流れを体験してみましょう。

課題を小さく切る:まずは「バブルソート」を試す

sort.cppファイルを作成して「配列をバブルソートで昇順に並べる関数 bubble_sort() を実装して」とCopilotに依頼してみましょう。

Copilot にコードを書かせ、意図を理解しながら肉付け

Copilotがこんなコードを提案してきました。

#include <iostream>
#include <vector>

void bubble_sort(std::vector<int>& arr) {
    int n = arr.size();
    for (int i = 0; i < n - 1; ++i) {
        for (int j = 0; j < n - i - 1; ++j) {
            if (arr[j] > arr[j + 1]) {
                std::swap(arr[j], arr[j + 1]);
            }
        }
    }
}

int main() {
    std::vector<int> arr = {64, 34, 25, 12, 22, 11, 90};

    std::cout << "Original array: ";
    for (int num : arr) {
        std::cout << num << " ";
    }
    std::cout << std::endl;

    bubble_sort(arr);

    std::cout << "Sorted array: ";
    for (int num : arr) {
        std::cout << num << " ";
    }
    std::cout << std::endl;

    return 0;
}

Copilot が生成したバブルソートの雛形を確認し、境界条件(空配列・1 要素)や std::swap の使用意図をコメントで補足すると理解が深まります。

AIと一緒にコード修正するサイクルを回す

コメントで「バブルソートは遅いので std::sort を使った高速版を追加して」と追加で指示を出すと、Copilot は以下のような提案を返します。

void fast_sort(std::vector<int>& arr) {
    std::sort(arr.begin(), arr.end());
}

例えば、ここで、「GoogleTestでソート関数をテストするテストコードを書いて」と依頼してみましょう。

#include <gtest/gtest.h>
#include "sort.cpp"

TEST(SortTest, BubbleSort) {
    std::vector<int> arr = {64, 34, 25, 12, 22, 11, 90};
    std::vector<int> expected = {11, 12, 22, 25, 34, 64, 90};

    bubble_sort(arr);

    EXPECT_EQ(arr, expected);
}

TEST(SortTest, FastSort) {
    std::vector<int> arr = {64, 34, 25, 12, 22, 11, 90};
    std::vector<int> expected = {11, 12, 22, 25, 34, 64, 90};

    fast_sort(arr);

    EXPECT_EQ(arr, expected);
}

int main(int argc, char **argv) {
    ::testing::InitGoogleTest(&argc, argv);
    return RUN_ALL_TESTS();
}

こんなコードを提案されました。そのままではビルドできないので、「CMakeでビルドできるようにして」と追加の指示を出してみます。

cmakeでビルドエラーが出たので、「(エラーを張り付けて)なぜこのエラーが出るのか説明して」と説明を求めてみます。私の環境では、main関数が複数存在するエラーだったので、「main関数はmain.cppに分けて、sort.cppだけテスト対象にして」と追加の指示を出します。

しかし、GoogleTestが存在しない旨の別のエラーが出たので「CMakeでGoogletestをFetchContentして」と追加の指示を出しました。

ここでビルドが通って単体でストが実行できるようになりました。

このように、エラーの説明をしてもらったり、追加の指示を出していくことで少しずつコードが修正されていき、最終的にGoogleTestをビルドして単体テストを実行できるようになるはずです。是非、自分の環境でも試してみてください。

こうしてCopilotとチャットしながら、なぜエラーが出たのか、こうゆうときはどうすればいいのか?といった小さな疑問を一つ一つ解決していくことで自分の理解度も上がっていきます。これがCopilotを使った学習フローです。

まとめ——AIを味方につけて継続的に成長する

最後に、この記事で紹介したポイントを振り返ります。

  • AIによるコーディングは当たり前になってきている
  • 学習初期からAIをフル活用することで、開発の実践でも使いこなせる人材に
  • AIを使ってPDCAを高速に回すことで学習効率をUP

AI は「書く」作業を肩代わりしますが、何を作るか・どう検証するか はエンジニアの腕の見せ所です。今後は設計力と課題解決力こそが差別化ポイント。Copilot を“相棒”に、学習ループを高速回転させながら、次世代の組み込み C++ エンジニア像をいち早く体現していきましょう。

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